くりっく株365のメリット
一般にCFDといえば、“店頭取引”のことを指します。店頭取引とは、投資家からの売買注文を証券会社等CFD取扱業者が売買の相手方となって売買を成立させることをいいます。
店頭取引においては、取扱銘柄が各社で異なり、同じ銘柄であっても各社で提示するレートが異なりますし、オーバーナイト金利にもバラツキがあります。たとえば、NYダウの株価指数CFDを売買しようとしたとき、A証券会社とB証券会社が提示しているレートに5〜10ドルのズレがあったりもするんです。
この店頭取引に対し、“取引所取引”という形態のCFDがあります。これは、東京金融取引所にて一般の株式のように上場されたCFD銘柄を売買する形態で、2010年11月22日よりスタート。店頭取引のCFDとは異なり、「くりっく株365」取扱会社に対して東京金融取引所が取引の相手方となる「清算制度」を導入しており、投資家の証拠金は全額金融取が分別管理しているため、万一、口座開設をして取引している会社が破綻した場合でも、原則として全額保全されます。
このCFDの取引所取引には『くりっく株365』という呼び名がつきました。
FXをされている方なら『くりっく365』の存在を知っているかと思いますが、『くりっく株365』は、そのCFD版です。
では、くりっく株365は、店頭取引と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?
くりっく株365で売買できる銘柄
店頭取引では売買できるCFD銘柄が各社でバラバラなのに対し、くりっく株365で売買できるのは東京金融取引所に上場されている5つの銘柄。
具体的には、「日経225(日本)」「FTSE100(イギリス)」「DAX(ドイツ)」で、名前を見てのとおり、いずれも株価指数CFDとなっています。
くりっく株365の取扱業者はいくつかありますが、どこの証券会社を利用しても、銘柄は同じで上場された銘柄ゆえに売買レートも同じです。しかも、取引単位も100単位からで統一され、オーバーナイト金利も一本値で同じ。
つまり、店頭取引と比べて透明性が高い特徴を持っているのです。
税率優遇処置
株であろうとFXであろうと、投資で利益を得た場合、確定申告により税金を納めなくてはなりません。
店頭取引によるCFDで利益を得た場合、総合課税方式となり税率は所得額に応じて高くなり、15%〜50%となります。課税所得金額が500万円の方だと、利益の30%を税金として収めなくては生りません。仮にCFDで年間100万円の利益を上げた場合、30万円を税金として納めなければなりません。
これに対し、くりっく株365の場合、申告分離課税方式となり、利益の大きさに関わらず一律20%の税率が適用されます。
前述の例と同じく、課税所得金額500万円のサラリーマンが、くりっく株365で年間100万円の利益を上げた場合、20万円が税金となります。
つまり、店頭取引のCFDと比較して10万円も得をするのです。
課税所得 | 所得税率 | |
くりっく株365 | 店頭取引 | |
195万円以下 | 一律20% | 15% |
195万円超330万円以下 | 20% | |
330万円超695万円以下 | 30% | |
695万円超900万円以下 | 33% | |
900万円超1800万円以下 | 43% | |
1800万円超 | 50% |
損失を繰り越せる
これは、くりっく株365の大きなメリットの一つです。
店頭取引のCFDで昨年1年間で50万円の損失を出し、今年に50万円の利益を上げたとします。この場合、今年の利益50万円に対し税金を納める義務が発生します。課税所得が500万円のサラリーマンの場合だと15万円。
これに対し、くりっく株365では、3年間損失を確定申告により繰り越すことが可能です。前述の例だと、今年50万円の利益を上げているものの昨年50万円の損失を出しているので、差し引き0円の儲け。つまり、昨年も今年も税金を納める必要は無いのです。
しかも、CFDで得た利益、損失は、証券先物や商品先物、くりっく365などと合算できるので、CFDで利益を上げても他の投資で損失が出ているなら、差し引きした分をそのとしの利益として税金を算出すればいいのです。
これは、非常に大きなメリットと言えます。
くりっく株365のデメリット
店頭取引と比較してメリットが大きく見える『くりっく株365』ですが、
デメリットもあります。
たとえば、取引可能な銘柄。
まだ、始まったばかりなので、徐々に増えていくのでしょうが、4つの株価指数CFD銘柄のみとは、ちょっと物足りないです。しかも、NYダウが含まれていないのは残念。
まぁ、まだスタートしてから他の投資商品と比べて月日が浅いので、これから増えていくことに期待ですね。
そしてもう一つのデメリットは最小取引単位。
店頭取引のCFDが1単位から売買を可能としている会社が多いのに対して、くりっく株365は100単位が最小単位。
たとえば、日経225を売買使用とした場合、店頭取引では1単位から取引ができるので、より少ない資金(証拠金)で取引を始めることができます。日経平均株価を1万円と仮定すると、その1/10〜1/100の証拠金があれば取引を開始できるのです。つまり1,000円の資金(証拠金)があれば日経225を売買できるということです。
これに対して、くりっく株365では100単位からなので、日経平均株価を1万円と仮定すると最小取引はその100倍の100万円。証拠金としては最低でも4万円ほど必要になります。
つまり、より少ない資金で投資をしてみたい方には、ちょっと適していないということになります。
『自分は少ない資金でCFDを楽しんでみたい!』という方は、DMM.com証券やIG証券などの店頭取引でCFDをはじめるのがベターです。
くりっく株365と日経225miniとの違い
くりっく株365で日経225を売買しようかと興味を抱いた方の中には、
『くりっく株365と日経225miniとでは、何が違うの?』と疑問を持った方もいるのではないでしょうか?
『日経225mini』も大阪証券取引所に上場されている銘柄なので、透明性や税制的には変わりありませんから、それ以外のメリットがなければ『くりっく株365』を選択する意味がありませんよね?
くりっく株365は取引時間が長い
『日経225mini』の取引時間は9:00〜23:00なのに対し、くりっく株365は8:30〜翌6:00までとなっています。(※米国ニューヨーク州 夏時間適用期間は8:30〜翌5:00まで
)
これにより、くりっく株365で口座開設をすれば、残業が多いサラリーマンでも深夜に日経225を売買することが出来ます。
価格の刻み幅が違います
日経225miniの場合、価格の刻み幅は5円となっています。ちなみに日経225先物だと10円。
これに対して、くりっく株365では1円となっています。これにより、実際の株価指数に近い価格の提示が可能となっているとともに、価格が細かく刻まれるため、その分利益も得やすいメリットがあります。
このほか、日経225miniでは約3ヶ月の取引期限がありますが、くりっく株365では取引期限がありませんし、大きな損失を未然に防ぐ“ロスカットルール”もくりっく株365ではあるなど、日経225を売買してみたいなら、くりっく株365の方が断然有利で、しかも便利なのです。
結局くりっく株365はおススメか?
くりっく株365について、その基本をまとめましたが、結局のところ、取扱銘柄に魅力を感じる方にのみおすすめです。
くりっく株365は、「日経225(日本)」「FTSE100(イギリス)」「DAX(ドイツ)」の3銘柄のみの取扱い。つまり、これらの銘柄に魅力を感じないようなら、口座開設する理由がありません。とくにNYダウが無いのは非常に残念!あくまでも、これらの取扱銘柄を売買してみたい!という方にのみおススメということです。
ただし、くりっく株365は、始まったばかりなので、将来的に取扱銘柄が増えることはほぼ間違いので今後の動向に注目です。
では、次に、くりっく株をはじめるなら、私達投資家にとって、どの取扱会社が有利なのかを検証したいと思います。
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